IT武装戦略の着眼点

第2話:なぜ今、IT活用戦略が重要なのか?

2015年07月15日

「なぜ、IT活用戦略がそんなに重要なのですか?」
これはセミナーなどで、経営者の方から良くいただくご質問です。
ズバリそれは、「経営戦略の老朽化が加速しているからです!」とお答えしています。

現在は、中小企業を取り巻く環境の変化が速くなっています。この環境の変化のスピードを加速させた最大の原因は「IT(情報技術)の進歩」です。

パソコンが普及し始めたのが1980年代で、一般にインターネットを活用し始めたのがその15年後。それ以降、情報の流通の量もスピードも加速度的に速くなり、料金は安くなりました。

こうしたITの発達によって、一挙に進んだのが「グローバル化」です。世界中どこでも瞬時に情報が手に入るようになり、どこでも仕事ができるようになりました。経営で重要な「ヒト・モノ・カネ」に情報流通が加わり、スピードが増したのです。

つまりは、ITの進歩&グローバル化が進みほど、経営戦略の老朽化のスピードも速まり、自社の優位性はすぐに失われてしまったのです。

これにより、
・どの業界も競争激化。
・競争が緩かった業界でも、競争に巻き込まれるように!
・古い経営戦略のままでは淘汰される時代に・・・。

中小企業も経営戦略を総点検する必要性に迫られているのです!


経営戦略の老朽化が加速していることで、企業が繁栄する期間はぐんと減りました。データで見ると、企業が活躍できる平均年数が、30年から6年半弱まで縮んでいるのです。

「日経ビジネス」誌の計算によると・・・
●1983年=企業平均年数30年
・総資産等から割り出した、100社ランキング内に企業がとどまり続ける年数は平均30年でした。

●2009年=企業平均年数6.4年
・株式の時価総額等から割り出した、100社ランキング内に企業がとどまり続ける 年数は平均6.4年に縮まっています。

上場企業の倒産件数も増加しています。帝国データバンクの全国企業倒産集計によれば、1964年から1990年まで、27年間の上場企業の倒産数は累計で76件。最大の年でも9件に過ぎません。

それがバブル崩壊後、1995年頃から毎年のように上場企業が倒産。2000年には15件、2002年には22件、リーマンショック後の2008年には45件も倒産しました。
大企業はつぶれないという常識は、すっかり過去のものといえるでしょう。

ニーズの多様化、市場の成熟化、人口減少、人材不足、他業界の進出等々、中小企業を取り巻く環境は大変です。それでは、従来の成長戦略が通用しなくなった現状に対して、中小企業はどのような対応策を、新たに成長するためには、どうすれば良いのでしょうか?

社長業とは、変貌する環境や状況への"変化対応業"、"変化適応業"と呼ばれ、勝ち抜く条件を持った企業と位置付けされています。変化の著しい時代だから、今、企業の規模を問わず、事業を繁盛させる「対応力」が必要です。

その具体策として、自社の経営戦略を再構築し直し、環境変化のスピードを加速させた要因である「ITの進歩」を逆手にとって、戦略実行にはITを上手く活用することです。ですから今の時代に、IT活用戦略が重要になってくるのです!

ただし、いくらITが進歩していても、社長に変わって経営戦略を再構築することは不可能です。なぜなら決まった正解を探す作業は、パソコンやITは得意ですが、無限の選択肢を組み合わせて全く新しいものを生み出す能力は、全く無いからです。

このことは極めて重要です。優れた経営者ほど、このことを良く理解しており、自分の頭をフル活用し時間をかけて、経営戦略を練り上げます。戦略に必要なデータ取得や戦略実行にはITを上手く活用しますが、あくまでも「ITは実行ツールである!」という認識は忘れません。

時代の変化に振り回されるか、一度立ち止まって事業を繁栄させる「経営戦略」を手に入れるのか...。間もなく夏、ちょっと立ち止るには絶好のタイミングが到来します。

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