IT武装戦略の着眼点

第6話:「売れる理由」を"見える化"する!

2015年08月12日

「この商品は良く売れていますが、売れている理由は何ですか?」
先日お伺いした企業で、伸びている商品を見つけたので質問してみました。
しかし、明確な回答は帰ってきません。

この会社に限ったことではありませんが、自社の売り物に対して「売れる理由」を掴んでいる会社は、実は少ないのです。

多くの会社は売上が上がると喜びますが、ただ喜んでいるだけでは、成長戦略に結びつけることが出来ません。業績を躍進させる成長戦略では、「売れたこと」以上に、「なぜ売れたのか?」に注視する方が重要だからです。

自社の収益構造を分析すると、必ず「重要成功要因」があります。数字の中に潜む「売れた理由」を見極めることが必要となります。


例えば、自社に赤字の営業所が存在するとします。そこで過去3年分の数字を分析したところ、すべての営業所が低調だったわけではなく、伸びている営業所もあることが分かります。

ここで「伸びている原因」を分析します。その結果、伸びている営業所では営業マンの「訪問回数と売上が比例している」という重要成功要因が見えてきました。

この重要成功要因もとに、全営業所で訪問回数を増やす営業戦略をとった結果、売上が上がり黒字化となりました。

大事なことは、「結果や数字から原因を追究する」ということです。

物事には、すべて原因があるものです。「結果」だけを見て一喜一憂するのではなく、結果から原因を追究することです。それも、数字の中から「原因」を探り出す姿勢が正しい戦略です。


また自社の収益構造を分析して、自社が狙うべき市場を選定する際には、最頻値(さいひんち)という視点で考えましょう。

経営分析等でよく利用される「平均値」で見ると、市場を見間違う場合があります。市場は平均値ではなく、「最頻値」で判断するべきです。

●最頻値とは?
最頻値とは、もっとも多く分布している値のことです。平均すると凸凹がなくなってしまいますが、最頻値で判断すれば、「市場の中のもっとも購買力が高い層」=「顧客対象」が見えてきます。


例えば・・・
・「年収3,000万円の人が1人」と、「年収200万円の人が9人」いるとします。
・合計10人で、平均年収は480万円である。

では・・・
・平均年収480万円の市場に、高級車を売るとします。
・「10人全員が見込客」と思ったら、すでに市場の特性を見間違っています。

実際は・・・
・実際に購入率が高いのは、年収3,000万円の人だからです。

このように、平均値で見ると市場を見間違う可能性が高いのです。


事業経営において、販売顧客対象を決めないで販売促進をするのは、一番効率が悪いのです。

自社の顧客情報から、「どこの地域が多いか」、「どういう商品を使っているか」、「社員規模は何人くらいか」、「性別は、年齢層はどうか」といった詳細な情報においても、「最頻値」=かたまり・片寄りを探すようにします。

顧客情報から、かたまり・片寄りが見えてきたら、そこに絞った営業戦略を実践して、他は切り捨てれば良いのです。


自社の「売れる理由」や、「顧客情報の片寄り」を把握できていますか?

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