IT武装戦略の着眼点

第8話:ヒットする商品やサービスを生むアイデア発想法!

2015年08月26日

創業87周年を迎える老舗の飲料メーカーの株式会社博水社(東京・目黒区)は、看板商品であり、ロングヒット商品の「ハイサワー」を提供する企業です。

「ハイサワー」のネーミングの由来は三代目社長の「わが輩がつくったサワー」の意味から、「輩サワー」と名付け、「ハイサワー」になったそうです。

ヒット商品を振り返ると、決まって魅力的なネーミングやコンセプトがあり、改めてアイデアや発想のヒントが重要であると感じます。

アイデアの定義は、「異なるものと異なるものを結びつけること」(ジェームス・ヤング)と言われています。では、ロングヒット商品を生むような 「ヒットするアイデア」の定義を知りたくないでしょうか?

実は、「ヒットするアイデア」の定義があります。

ストーリーアーツ&サイエンス研究所の岡田勲氏によると、"対極する2つの概念を統合すること"が、ヒットするアイデアの定義だそうです。人は、対局する概念を統合することにより、感動が生まれるそうです。


カシオ計算機の連結純利益は、2015年3月期に8期ぶりの最高となり、今期も前期比25%増の330億円と記録を塗り替える見通しです。

主力の腕時計「Gショック」をデジタルからアナログに切り替えるという、時計の針を逆戻りさせたような戦略が見事に当たったと言われていますが、まさに「対局する2つの概念を統合した」結果ともとれます。

Gショックの今期の出荷数は過去最高の800万個の計画。前回のブームだった1998年3月期を3割も上回るが、今の売れ筋は針と文字板で時間を示すアナログ式です。デジタル表示とゴツゴツした独特の外観が人気を集めたかつての製品とは様変わりしています。


爆発的に売れた「Gショック」でしたが、ブームが去った後の製品開発は、たくさんの機能を詰め込んだ結果、クセの強い形となり、消費者に飽きられるのも早かったそうです。

そこで2004年に時計づくりを「多機能デジタル」から「高機能アナログ」に転換します。

電波を効率よく受信する大規模集積回路などデジタル技術を生かしつつ、表示部分は世界市場で9割を占めるアナログ式に切り替えたのです。搭載する機能は消費者が求めるものに絞り込み、デザインで付加価値を高める戦略をとります。

結果として、アナログのGショックの販売先は宝飾店にも広がり、前期の時計事業全体での単価は3,732円とアナログへのシフトを始めた2015年3月期の1.9倍にもなりました。


「妖怪ウォッチ」も大ヒットしました。ゲームソフトは累計販売数数百万本を突破し、関連するアニメや玩具も含めて、大ブームを起こしました。

主人公ケータの設定は、成績もスポーツも真ん中くらいの小学生です。開発を手がけたレベルファイブ社長・日野晃博氏によれば、現代の子ども達が共感できるのは、そんな「いつもふつう」の小学生だと言います。

氏の発想のヒントは、今の作品ではなく、子ども時代の自分にあるそうで、「ここが面白い」という根っこは、昔も今も変わらないと捉えて、「基本の部分だけは、忠実に動かさないように心がけています」と語っています。

古くから伝承された「妖怪」と、新しい「ウォッチ」を組合せもまた、「対局する2つの概念を統合した」発想です。


アイデアは、「異なるものと異なるものを結びつけること」。さらにヒットするアイデアは、「対極する2つの概念を統合すること」でした。

自社の商品やサービスへの応用だけではなく、組み合わせ、コラボから新しいヒント、アイデアが誕生することもあります。

時代の流れに合わせて、誰とコラボするか、何と組み合わせるかが重要なのです。

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