IT武装戦略の着眼点

第23話:利便性を売りにして顧客を増やす戦略!

2015年12月09日

先日、他社主催のセミナーに登壇してきました。講演テーマは「主力商品をネットで売れるようにする実践講座」だったこともあり、最近の大手ショッピングモールの実態も含めてお話しさせて頂きました。

年間国内EC流通総額や、会員数、1日当たりの流通金額等、正に圧倒的な強さを誇る大手ショッピングモールです。出店数(2015年11月現在)だけでみても以下の数でした。

●「楽天市場」41,659店
●「Yahoo!」約240,000店
※「Amazon」は非公開。

この競合が多い中で、「ネットで売れるようにするにはどうすれば良いのか?」の具体策をお伝えしたのですが、そのひとつに「顧客の不便」を解決してあげるがありました。

顧客が商品やサービスを購入したいとき、時間やエネルギー、ノウハウといった「不便」が立ちはだかり、購入を拒むことがあります。例えば、店が遠かったり、商品がよく分からなかったり、入手に時間がかかったりといったことです。

逆にこうした「不便」を減らすことが出来れば、たくさんの顧客を獲得することができます。つまりは、「利便性を売りにする!」のです。

この方法で、競合との差別化を図るには、"購入までの手順を簡略化したり、迅速化したりする方法を見つければ良い"のです。他社よりも手軽だからという理由で、顧客は自社から買ってくれます。

インターネットの普及で、数えきれないほどの企業が、従来型の事業からオンライン型へ移行して成功してきました。これは、オンラインによって利便性を向上させたからです。

特に大手「Amazon」は、本と圧倒的に購入しやすくすることで、従来型の書店に致命的な打撃を与えました。書店で買おうが、オンライン書店で買おうが、本の中身は少しも変わりません。しかしAmazonの方が手軽で買いやすいから、顧客は流れて行きます。


そのAmazonですが更なる利便性を高める取り組みとして、9月から「Amazonパントリー」(http://www.amazon.co.jp)というサービスを始めました。

食品・日用品を中心とした低価格の商品を1点から購入でき、年会費を払った「Amazonプライム会員」だけが利用できます。

「パントリーBox」と呼ばれる、52cm × 28cm × 36cmの専用ダンボールの容量、または12kgを基準として商品を入れられます。買い物途中、現在カゴに入っている商品で容量または重量の何%なのかがリアルタイムで表示される仕組みです。

使用率が100%を超えると、2箱目のパントリーBoxに商品が入ります。1箱につき、290円(税込)がかかりますので、心情としては、箱いっぱい詰め込んで買いたいとなります。

販売ページはカテゴリー分けされているのですが、面白いのは「特集&テーマBox」が用意されていることです。用途・目的やシーンに合わせたおすすめ商品セットを提案しています。

テーマBoxを並べてみると・・・
男の身だしなみセット、仕送りセット、ストックしたい食品・調味料、キッズパーティー、夜更かしセット、お好み焼き・たこ焼き準備、キッチン消耗品、バス・洗面グッズ、お風呂・トイレ掃除と洗濯、1本から選べる輸入ビール、形いろいろ輸入パスタ、海外の老舗紅茶ブランド、人気の輸入お菓子・・・。

利便性をしっかりと出しながら、しかも買い物の楽しさも伝えています。こうしてみると、改めて大手Amazonの強さを感じますが、しっかり経営戦略を構築できれば、まだまだネットで売れるようにすることは可能です。

例えば大手ショッピングモールで取り扱っていない、オリジナル性の高い売り物や、同じ商品でも差別化を図った売り物です。

簡単にはいかないと思いがちですが、「顧客の不便」を解決してあげるという視点をもってはどうでしょうか?

自社の売り物で、「購入時の不便」「使用時の不便」「接客の不誠実さ」「説明の不明瞭さ」を解決できないですか?

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