IT武装戦略の着眼点

第24話:事業の安定化を図る仕組みとは?

2015年12月16日

中小企業の経営者であれば、誰もが事業の安定化を図りたいと願います。
事業の安定とは、自社で売っているものが何であっても、商品であっても、サービスであっても、形があってもなくても、その売り物を、同じ顧客に繰り返し繰り返し買ってもらうことです。

どんな事業であっても、顧客がいない事業などありえません。その顧客に繰り返し、安定的に買って頂けるシステムを自社に構築しなければなりません。

世の中にはなぜ定期券があり、賃貸マンションがあって、リースやレンタルという販売形態があるのかを、よくよく考えれば理解できますが、それらは偏に繰り返すシステムのためなのです。

定期券は、電車やバスに乗っても乗らなくても、売上を固定的にするシステムです。賃貸マンションは、ホテルに比べて、毎日のサービスや集金の必要がありません。つまり、月極で集金するシステムなのです。ホテルのように、毎日部屋を売るという努力をしなくてもよいのです。

一度買ったら、長く買ってもらえないような耐久財にとって、毎月売れたようにシステムを組むことは、事業の安定に重大な要素となります。


この繰り返すシステムの応用戦略として、「会員制度」があります。自社特有の会員制度をつくって一般顧客を入会させることや、1年契約、3年契約など一定期間の取引を相手に承認してもらう契約制もあります。

こういった制度をつくることは、浮気しがちな顧客の心を見通し、リピート利用を約束させる手法とも言えます。消費者の心は移り気です。今、気に入っている商品、サービスであっても、いつかは他社のほうが良くなって浮気をします。

そんなとき、会員制度や契約制度などでつながっていれば、「他社の商品に心が動くが、会員特典があるので、今回も同じ会社の商品を買おう」ということになります。

制度をつくる上で大切なことは、顧客にとってどれだけ魅力的な特典をつけられるかということです。会員制なら割引や優遇など非会員よりも「お得」である内容を盛り込むわけですが、問題はその度合です。

中途半端な割引優遇であれば、わざわざ入会することもないし、入会したとしても、繰り返し利用や購入したいとは思わないからです。

理想的な形は、「ここまでしてくれるなら、制度を利用しなければ絶対に損だ」と、顧客に思わせるような特典をつくることです。

また会員になるだけでなく、利用すればするほど得をするようなシステムならば、リピート利用を促せることは間違いないでしょう。そのためには、会員と非会員の割引率を、明らかに違う数字にするなどの仕掛けも必要です。

この「圧倒的な厚遇」が、上得意客の心をくすぐります。割引率などの数字だけでなく、VIP会員にはクレジットカードのようにカードの色を変えるとか、会員にしか教えない"とっておき"の情報をお知らせするといったやり方もあります。

いわば、一種のステイタスです。特別扱いされることで顧客は気分がよくなり、利用頻度や購入頻度も増えるのです。


この会員制として有名なお店に「コストコ」があります。
「コストコ」(http://www.costco.co.jp/)は、高品質な優良ブランド商品をできる限りの低価格にて提供する会員制倉庫型店です。

創業当初は、小規模ビジネスを対象に展開をしていたそうですが、特定個人の顧客にご利用いただく事により、「大型会員制倉庫店」と変革しました。アメリカ国内において創業後わずか6年未満でその売上をゼロから30億ドル(約3,000億円)までに達成させた最初の会社となったのです。

日本での最初の出店は1999年、福岡県糟屋郡の久山倉庫店です。現在は、国内24の倉庫店を運営しております。

会員には法人会員と個人会員の2種類があり、会員となった瞬間から、一年中お買い得で便利なコストコホールセールが利用できます。また年会費も、購入した商品も2大保証で保証される仕組みとなっています。

事業戦略としては、粗利益と販売管理費を等しくし、顧客からの会費を営業利益とすることでコスト削減分を値下げして低価格を実現しています。


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