IT武装戦略の着眼点

第25話:事業経営の儲かる方向性を示す道具とは?

2015年12月23日

年末を迎えるこの時期、来年の抱負や目標についてのお話しや相談が増えてきます。商売柄、たくさんの経営者や起業家との出会いがありますが、業績の良い会社、悪い会社、規模の大きい会社小さい会社、後継者や女性経営者など様々です。

同じ目標のお話しをしても、優れた経営者は、自社の業績や資金繰りを数字で正しく把握し、毎年経営(事業)計画をしっかりと策定しています。しかしこういった経営者の比率は低いですが・・・。

反対に多くの経営者は、事業経営を数字で捉えていないばかりか、決算書も読まない・読めない、将来どうするかも計画していないのが大半です。

こういう経営者に聞いてみると、経営計画は策定したいが、どうすれば良いかわからない。また時間が無いし難しいし、毎日の実務で忙しいというのが実態です。


例えば、全く知らない場所に車で行く場合、カーナビに目的地を設定しておけば、道に迷うこと無く到達できます。運転の力量や知識や経験などで、多少の違いがあるにせよ、ほぼ間違いなく目的地に到達できます。

経営計画はこのカーナビと同じです。事業経営の儲かる方向性を示すナビゲーターであり、尺度であり、選択眼なのです。すなわち経営計画とは、「我が社が生き残るための」道具なのです。

我が社が生き残るために、
①「いくらの儲けが必要なのか?」を数字でつかむ。
②「誰に・何を・どのように」売るのかを決める。
③計画を実行するための「資金繰り」はどうなるか?

これらは経営者自身が、戦略的に方針を打ち出す以外にありません。

また経営計画があると、月次で計画と実績の差をチェックできるので、打つ手が間違わないという効果があります。闇夜で手探り状態がなくなり、事業経営が先手・先手となります。

経営計画策定の「具体的なメリット」を挙げてみると以下の通りです。
① 儲かる事業構造が出来る!
② 経営者が会社の問題点をすぐつかみ、素早く手を打てるようになる!
③ 資金繰りの見通しが立ち、銀行に信用ができる!
④ 社員の目的意識が統一され、全社一丸体制ができる!
⑤ 後継者教育ができる!
⑥ 経営計画作成の過程で、我が社の問題点、我が社の実態がつかめる!

こういったメリットがあるのですが、それでも経営計画を策定する経営者は少ないのです。経営計画をつくらない理由は、大別すると2つ挙げられます。

それは経営計画などをつくっても
●将来のことは、雲をつかむようでわからないのだから意味がない。
●計画通りには行かない・・・と思っています。

実は多くの経営者は勘違いしています。「将来のことは、雲をつかむようでわからないのだから意味がない」は、売上と利益だと思います。

実はそれ以外は、かなりの精度で予測できます。向こう1年間の人件費、一般経費、支払い金利など、出て行く金額は決まっています。要は稼ぐ金額が予測できないから、わからないのです。

経営計画においては、稼ぐ金額(売上・利益)はわからなくても、稼がなければならない金額はわかります。経営計画は、「我が社が生き残るために、いくら稼がなければならないのか?」を計画するものですから!

「計画通りに行かない」については、計画通りに行かないからこそ、計画や目標が必要だといくことです。計画と実績の差が何を意味しているのかが重要なのです。我が社の考え方と市場(マーケット)とのズレを表しているので、そこに手を打てるからです。

どんな時代にあっても、優れた業績をあげている会社、安定した経営をしている経営者は、皆共通して数字に強いです。数字を専門に扱う会計事務所以上に数字に強く、分析力や解説力に長けています。事業経営では、「計数管理と業績は比例しています!」

ではどうすれば数字に強くなるのでしょうか?
それは経営者自らが、自社の経営計画を策定することが一番の近道となります。策定の過程で、自社のあらゆることが数字でつかめることになるからです。


年末を迎えるこの時期、来年以降の自社繁栄のために、経営計画を策定しましょう!

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