「なかなか思うように売上が上がらないのです・・・・。」
以前、知人が経営する居酒屋で飲んでいると、本人より相談を受けました。
フリーペーパーなどに広告掲載しても、来店客は少なく厳しい様子です。
お世話になっていることもあり、様々な仕掛け案を提案しました。しかし経営者から出てくる言葉は、「手元資金が無い」、「ウチの店では出来ない」など、いわゆる"出来ない言い訳"ばかりです。
何もしないでも何となく商売が出来るかもしれませんが、繁盛店になるのは無理です。積極的に仕掛けて、色々な人と関り合いをもち、仕事、商売をより元気づけることが肝心です。
たとえ手元に資金が無くても、発想の転換や優れた戦略さえあれば、厳しい状況や環境のなかでも好調な商売を実現していけるものです。
この経営者には、話題やイベントをつくって顧客にPRすればと伝えました。店のイベントは、売上と集客を達成するための「人・モノ・情報・場」を活かした一時的な仕掛けです。顧客が注目するようなイベントを生み出し、その内容をPRするという方法です。
「あの店に行くと面白いことがある!」というくらいになれば最高の戦略です。
実際にある家電店では、顧客を売上と購入時期でランク付けし、DMで招待イベントを開催しています。
しかも家電とは全く関係のない、「食」のイベントをテーマにしたカツオ祭り、男爵イモ祭り、ウナギ祭りなどを開催し、来店客にカツオや男爵イモを進呈するのです。10数年続けている話題のイベントで顧客満足度を上げています。
他にも、駐車場を利用してグルメ朝市を開く繁盛店、年中花見ができる人気居酒屋、店独自の子ども記念日でアピールする専門店、新茶を缶に詰め放題させる新茶祭りを展開する店、常連客と店が一緒になって楽しむスポーツ大会と・・・。
正に繁盛店は、現場で様々な知恵を出して展開しているのです。
楽しそうなイベントを考えたら、積極的な広報戦略を実施します。店を知らせる非常に有効な武器は、マスコミと口コミの活用にあります。自分の店をマスコミに売り込む広報戦略は、企業の規模に関係なく積極的に実施すればその効果は広告の比では無いのです。
特に口コミ活用は、地域密着型の店の販売促進の柱ですから、意図的な口コミ活用を展開します。
現在のデジタル化時代ならではの口コミ活用と言えば、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。これを上手く活用することで、広告費ゼロでもPRが出来ます。
海外の事例ですが、「買い物レシート」を活用した販促で、「1ヶ月で500万会員」を獲得したキャンペーンがあります。カナダの新興企業「Checkout51」社で話題となっています。
この会社は、指定した商品を買ってそのレシートをスマホなどで撮影し、画像をアップロードすると商品ごとに決まった金額が貯まっていき、20ドルを超えた時点で返金を受けられるサービスを展開しました。
返金方法は小切手かギフトカードを選べる仕組みとなっています。この会社のFacebookページでは、500ドルまで貯めた人の写真も紹介されています。
この販促手法は、商品についている応募券やレシートをハガキや応募用紙に貼付け、郵送する方式と同じでよく実施されていますが、これのデジタル版と言えます。
小さな店が、ここまで複雑な仕組みを用意する必要はありません。
例えば冒頭の居酒屋で、このレシート販促を応用する場合を考えてみましょう。レシートを撮影してFacebookやLINEにアップするだけで、割引や特典を付けてあげます。これだけで十分に口コミとなります。
撮影対象をレシート以外で考えると面白いかもしれません。店の看板メニューや、店内外風景、あるいは店長やオーナーを撮影するなど・・・。
アイデアは無限ですから色々とチャレンジしてみて、「あの店に行くと面白いことがある!」と定着できれば、繁盛店となります。
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