IT武装戦略の着眼点

第36話:顧客台帳は「宝の山」!

2016年03月23日

先日、地方にある「道の駅」の店長とお話しをする機会がありました。
この道の駅ですが、新設道路のおかげで交通量が増え、前年を上廻る来店客により売上好調のようです。

色々と興味があったので、レジ通過人数を聞いてみたところ、毎月約1,500人程度と教えてくれました。季節変動はあるでしょうが、年間で約18,000人もの購入者がいるのです。

例えば、たった1回の景品イベントで獲得できる顧客情報は、600人以上が集まると言うので、「それはすごいチャンス!」と思ったので、「それだけたくさんの来店者や顧客情報があるのはすごいことです」と前のめりになりました。

ところがよくよくお話しを聞くと、景品イベントが終わると顧客情報を破棄しているとのこと。おそらく、景品を発送するためだけに使って、処分しているのでしょう。

とてもとても、もったいない限りです。1度のイベントで600人の顧客情報が集まるのですから、各月イベントを企画すれば、年間で3,600件くらいの顧客リストが出来上がります。

この顧客リストは、正に「宝の山」となります。考えてみれば当たり前ですが、一度来店や購入してくれた顧客は、再度来店してくれて、再度購入してくれる可能性が高いのです。

もちろん、なかには不満を感じる顧客もいるでしょうが、何が不満だったのか意見を集めれば、それをフィードバックして店の魅力や商品力を強化することもできます。

顧客リストは、中小企業にとって非常に重要な資産なのです。

この道の駅は、何十年も営業してきました。ということは、過去に何十万人もの顧客が来店しているのに、その顧客リストはゼロなのです。これは既存のファンがいるのに、手を打たずに何もしていないのです。目の前の「お宝」を逃がしていることに気付いていないのです。

優れた経営者は、顧客こそが最重要資産であり、そう理解し、実際にそのように顧客を扱っています。この点をきちんと把握し、自社にとっての顧客の価値、潜在価値や真価を理解する必要があります。


これは営業熱心な経営者に多いのですが、新規顧客を獲得するための戦略を一生懸命考えて、資金や時間を投資しています。しかしせっかく獲得した顧客を、あたかも放置している感じで、充分なフォローがなされていないのです。

確かに中小企業の経営者は忙しい、時間が足りないので、本当は自社の顧客をキチンと管理したいのですが、なかなか手が回らないのが現状のようです。しかし今一度、既存顧客に目を向けることで、売上を上げる方法が見つかる可能性が高いかもしれません。

つまり新しいことに目を向ける前に、既存顧客へのアプローチで、もっと費用対効果の良い方法が見つかる可能性もあると言いたいのです。そこで顧客リストの管理や、アフターフォローができる仕組みづくりを構築すべきです。

この時代ITの進化により、見込み客獲得から顧客、顧客からリピート客へと総合的な営業、管理ができるシステムが安価で利用できますので、導入することをオススメします。

顧客リストが多いならなおさら、まだ少なくても、これから顧客数が増えていく上で一括管理も顧客のカテゴリー分けもできますし、何よりアフターフォローが非常に楽になります。

業務上、手紙やDMを送るのはハードルが高いと思えば、システムからメールを送るという手段がとれます。名前とメールアドレスを登録してもらえば、メールでお礼を送ったり、新商品やイベントの案内を出したりすることは難しいことではありません。

また「LINE@」や「Facebook」など、ビジネス情報発信が無料で使えるツールもあります。はじめの一歩として、これらを活用してみるのもオススメです。


改めて、自社の顧客リストを見直してみて、何か良い既存客向け企画やプランを試せないか、じっくり考えてみてはいかがでしょうか?その顧客リストの中に、「宝の山」が眠っているかもしれません。

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