大きな環境変化は、今も昔も2つの要因が存在します。
ひとつは、「交通手段の変化と交通網の発展」であり、もうひとつは「情報手段の変化と情報網の発展」です。この二つの文明の利器が大発展し、ネットワーク化することで、世の中の大変貌が起こってきました。
近年は情報機器の発展により、その場に居なくても地域の情報をキャッチ出来るようになっていますが、今回の熊本地震災害の様々な情報を見ても、改めて実感することが出来ます。
実感した事例として、熊本地震災害に関して、自動車メーカー各社が「通れた道マップ」を提供したことにあります。
トヨタ自動車「通れた道マップ」
https://www.toyota.co.jp/jpn/auto/passable_route/map/
本田技研工業「インターナビ通行実績情報マップ」
http://www.honda.co.jp/internavi/saigai/kumamoto/
トヨタ自動車は、(G-BOOK搭載車両から収集したプローブ情報による通行実績)と「T-プローブ交通情報」を参考情報として公開しています。
G-BOOKとはトヨタが提供するテレマティクスサービス(カーナビを介して情報提供を行うサービス)で、通行実績についてはカーナビのGPSを用いたプローブデータを使用しています。
データは最新24時間分を対象に、「最新1時間」「最新3時間」「最新6時間」の区切りでも閲覧可能です。
本田技研工業は、Googleクライシスレスポンス災害情報マップおよびYahoo!地図で「インターナビ」による通行実績情報を公開しています。
インターナビとはホンダが提供するテレマティクスサービスで、通行実績についてはカーナビのGPSを用いたプローブデータを使用しています。データは、過去4時間分が対象とされています。
プローブ(Probe)とは、「(医学で使われている)探り針、(航空宇宙で使われている)探査機または探測機」とあります。また、電子機器分野では、例えば電子測定器で測定する箇所に接触させる電極などをプローブと呼んでいます。
道路交通分野では、走行する一台の自動車を探り針(プローブカー)ととらえ、この走行する車に装備されている様々なセンサーから得られるデータ(プローブデータ)を外部に取り出して、さらにこれらのデータを加工・分析することにより、広く道路交通分野のサービスに役立てています。
GPSによる位置情報はもちろん、走行速度による交通量の推計やワイパーの可動による天候情報など、複合的な情報のことを指しています。
現在はカーナビへの「渋滞情報」の提供などで多く使われていますが、今回のような非常事態における「通行実績における通行可・不可道路の判別」や「急ブレーキが多く発生した地点(ヒヤリハット)を参考にした交通事故対策」、「交通量の推計を参考にしたロードサイド型店舗でのマーケティング事例」など、様々な方面での活用が期待されています。
情報機器と交通機器の発展により、地理や距離、時間の物理的な条件をはるかに乗り越えて、色々なことを考えることが出来るようになりました。
これは事業経営においても全く同じであり、情報機器と交通機器の発展によって、戦略や戦術が大変貌してきます。交通や情報の発展を否定したら、確実に時代遅れとなり、変化や流れに取り残されるでしょう。
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