IT武装戦略の着眼点

第58話:販売促進よりもマーケティング戦略!

2016年09月07日

「今流行りの、Facebookをしているのですが、なかなか売上に繋がらないので、LINE@をした方が良いですか?」。ある飲食店経営者からの相談内容です。

 

多くの経営者が勘違いしていますが、マーケティング戦略が無い状態で、流行っているツールを色々と使っても、効果が出ることはなく売上貢献することはありません。

 

Facebookやツイッター、LINE@など様々なSNSツールがありますが、あくまでもひとつの媒体にすぎません。経営戦略の視点からすると、販売促進になり戦術なのです。

 

いかに素晴らしい「戦術」があっても、優れた「戦略」が無ければ成果を上げることは出来ないのです。

 

マネジメントの父とされるP.F.ドラッカーは以下のように言っています。

「実のところ、販売とマーケティングは正反対である。同じ意味ではないことはもちろん、補う合う部分さえない。」

 

「何らかの販売は必要である。だが、マーケティングの理想は販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、顧客に製品とサービスを合わせ、おのずから売れるようにすることである。すぐにでも買えるようにすることである」(『マネジメント-課題、責任、実践』)

 

先ほどの、FacebookLINE@を利用して行うのは販売促進です。これらを継続していくことで販売は不要になるでしょうか?とても難しいと思いますし、売り込みが必要になるでしょう。

 

それでは売り込みが不要になる、要らなくなるケースとはどのような状態でしょうか?販売されなくても買ってしまう商品やサービスとは何でしょうか?

 

世の中を見ると、多くの人がほぼ販売無しで買ってしまう商品が存在しています。それは、「薬」や「医療」です。例えば、お腹が痛くなったら胃腸薬を買います。体調が悪いときには病院に行きます。

 

先日我が家の愛犬から、血尿が出ていたので、動物病院に連れて行きました。獣医さんは診察してから、適切に処置してくれました。

 

でも獣医さんは、「どうやら●が悪いようです。この注射を打てば治ります。注射1本2万円となります。今すぐお買い求めください!」とは言いませんでした。こちらからすると、注射を打つのは当たり前と思います。

 

あるいは、最近お腹の調子が悪いし、何か違和感があるから病院に行って診てもらったとします。レントゲンを見ながらお医者さんが言います。

 

「これ、何だかわかりますか?これは恐らく胃がんです。今、摘出しないと全身に転移していきます。すぐに手術をした方がいいと思いますが、どうしますか?」そう言われたら、ほぼ100%手術をするに決まっています。

 

「手術をするのに100万円かかりますが、今なら分割払いが可能で、金利は当病院がすべて負担します」などという話しにはなりません。

 

お医者さんは患者さんの体を診察して、患者さんに教えてあげます。教えてもらった患者さんは、それを解決しなければならないので、治療を受けたり、薬を買ったりするのです。

 

治療や薬の販売は一切ありません。なぜならば、その治療や薬が必要だということを、患者さんが完全に理解しているからです。ここでは、マーケティングが販売を不要にしています。

 

これまで病院に何度も行ったことがありますが、しつこく薬を売り込まれたことは、一度もありません。全部、自動的に買っています。

 

「こっちの方がオススメです。」と言われたことはありますが、いわゆる営業をされたことは、一切ありません。なぜでしょうか?

 

それは、必要性が完全にわかっているからです。優れたマーケティングは販売を不要にするわけですが、病院や薬は販売が不要になっています。

 

自社も優れたマーケティング戦略を構築して、販売が不要となる仕組みを構築できないでしょうか?

 

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