「来年はこの事業を中心に展開していこうと思うのですが・・・」
年末を迎えるこの時期、来年の抱負や目標についてのお話しや相談が増えてきます。
同じ目標のお話しをしても、優れた経営者は、自社の業績や資金繰りを数字で正しく把握し、毎年経営(事業)計画をしっかりと策定しています。しかしこういった経営者の比率は低いですが・・・。
例えば、全く知らない場所に車で行く場合、カーナビに目的地を設定しておけば、道に迷うこと無く到達できます。運転の力量や知識や経験などで、多少の違いがあるにせよ、ほぼ間違いなく目的地に到達できます。
経営計画はこのカーナビと同じです。事業経営の儲かる方向性を示すナビゲーターであり、尺度であり、選択眼なのです。すなわち経営計画とは、「我が社が生き残るための」道具なのです。
我が社が生き残るために、
①「いくらの儲けが必要なのか?」を数字でつかむ。
②「誰に・何を・どのように」売るのかを決める。
③計画を実行するための「資金繰り」はどうなるか?
これらは経営者自身が、戦略的に方針を打ち出す以外にありません。
事業経営において、繁栄し続けるための究極はたった2つのコンセプトから成り立っています。1つは事業を成長拡大させることと、もうひとつは事業を安定させることです。
事業を成長拡大させるには、第一に顧客の数を増やすこと、つまりは「増客」することです。短期では「前月」より、長期では「前年」よりも増客しなければなりません。成長拡大するには、どんなことがあっても絶えず増客し続けることが重要です。
事業を安定とは、「自社の売り物を、同じ顧客に繰り返し繰り返し買って頂く」ことです。一時的に売価が高いものが売れたり、どんなに数量が多く売れても、同じ顧客が二度と買われなかったり、長い間買って頂けなければ、事業の安定は少しも図れません。
事業経営において一時的に儲かることも大事ですが、もっと重要なのは安定というコンセプトのために、顧客に繰り返し、繰り返し買って頂くことであり、そのシステムを築くことです。
ですから経営計画には、事業経営において繁栄し続けるための2つのコンセプトを、しっかりと明記することです。
また経営計画があると、月次で計画と実績の差をチェックできるので、打つ手が間違わないという効果があります。闇夜で手探り状態がなくなり、事業経営が先手・先手となります。
こういったメリットが多い経営計画ですが、それでも策定する経営者は少ないのです。2016年版小規模企業白書によると、経営計画を「作成したことがある」者は53.0%で、約半数の小規模事業者は経営計画を作成したことがないそうです。
経営計画というと、何やら高度な知識を必要とする難しいものという印象を持つ経営者が少なくないはずです。しかし経営計画策定の意味するとこは、決して難解なものではなく、社会生活の中で誰でも行っている「知恵」であり「技術」なのです。
どんな時代にあっても、優れた業績をあげている会社、安定した経営をしている経営者は、皆共通して数字に強いです。数字を専門に扱う会計事務所以上に数字に強く、分析力や解説力に長けています。事業経営では、「計数管理と業績は比例しています!」
ではどうすれば数字に強くなるのでしょうか?
それは経営者自らが、自社の経営計画を策定することが一番の近道となります。策定の過程で、自社のあらゆることが数字でつかめることになるからです。
年末を迎えるこの時期、来年以降の自社繁栄のために、経営計画を策定しましょう!
【本社オフィス】〒870-1214
大分県大分市大字太田335番地の1
【東京オフィス】〒103-0004
東京都中央区東日本橋2丁目28番4号
日本橋CETビル2階