IT武装戦略の着眼点

第79話:海外の新ビジネスは脅威なのか?

2017年03月08日

「Amazonの無人コンビニ実験は、日本の流通に影響するのでしょうか?」

宴の席にて、ご質問を頂きました。

 

ネットニュースなどでご存知の通り、米アマゾン・ドット・コムはAIを活用したレジで決済不要、買い物のスピード化が図れる新型店「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」の展開を発表しています。

 

「Amazon Go」は顧客が専用のアプリを用いて入店します。購入した商品をカメラやセンサーなどの情報を通じて、AI(人工知能)で認識し決済する仕組みです。レジ決済が必要なくなることで、スマートな買い物が可能になるということです。

 

過去のパターンを考えると、Amazonは成功する仕組みを構築すると、全世界で展開していきます。勿論今回も同様で、いつの日か日本にもこの「Amazon Go」が上陸する可能性もあることから、早くも、日本の流通は席巻されてしまいそうだという“脅威論”まであります。

 

確かにAmazonのレジ決済不要の店舗は、種々の可能性を秘めていると思います。まず顧客が入店して何を買おうとしているか、顧客の店内での行動が赤裸々になります。

 

アプリで顧客の属性は明確になっているので、例えばAさんは何時くらいに来店して、どういったものを購入したか、売り場のどこに滞在時間が長かったか、何を買い・何を買わなかったのかが、つぶさに分析されます。

 

つまりマーケティングの手段として極めて有効なシステムなのです。ネット上で顧客がどこのページを閲覧し、どこのページで購入を決めたのか、閲覧状況などをEコマースで蓄積したノウハウが実店舗に生かされていると言えます。

 

しかしこういった事例も、どこかの国の何か分からないことで「脅威論」と捉えるのでなく、経営者としては自分事として捉え、どう自社に影響するかを考えることが、経営戦略で重要なことのように思います。

 

ですから忙しいだけの経営者では、時代の変革期に会社を変化させることができず、会社を潰すことになります。潰さないためにも、無理やりにでも時間を捻出し、未来を色々と考え検討することが大切です。

 

その為にも、中小企業経営者は色々と見て、聴く経営者にならないといけないのです。不安は無知から来ますので、やはり勉強する経営者は強いのです。

 

さて「Amazon Go」に話を戻すと、現在スマートな決済方法として、米ウォルマート・ストアーズが実用化を進めている「スキャン&ゴー」という方式もあります。

 

専用アプリを入れたスマートフォンを活用して、商品のバーコードを消費者がスキャンしてスマホ上で決済する方式です。これならレジに並ばずに済みますが、これにも今後の検討事項は数多くありますが・・・。

 

レジ方式はスーパーが出現してから連綿と続く、チェーンストアのオーソドックスなスタイルです。

 

現在の国内では人手不足の状況なので、流通業の生産性を上げなければならないのは間違いないことです。この方式を打破する新しい決済手段に移行する日は、そう遠くないのは間違いないと言えます。 

 

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