IT武装戦略の着眼点

第91話:営業マンだけで業績アップは可能か?

2017年05月31日

「いくら営業マンに、気合を入れても無意味だったのですね!」

弊社セミナーに参加されたこの経営者は、自社の営業マンに毎日ハッパを掛けて、「気合で契約を獲ってこい!」と叫んでいたそうです。

 

いくら営業マンに気合を入れても、業績が向上しないのは、「仕組み=戦略」が間違っているからです。

 

一般的に「営業」と言っても、営業マンの営業活動だけを思い浮かべる人が多いのですが、下記の2つに分けて考えることが必要です。

 

●集客:見込客を営業マンの前に連れてくるプロセス。

●セールス:営業マンが目の前の見込客に、商品やサービスを説明して契約するプロセス。

 

車の新車販売を例にとると、ショールームに訪れた見込客に車の説明をして、車を購入(=契約書に判を押す)してもらうための活動を「セールス」と呼び、通常は「営業マン」が担当します。

 

一方、ショールームに見込客を連れてくるのは、実は営業マンの仕事ではありません。

 

見込客にショールームまで足を運んでもらうために、テレビCMを流したり、新聞に折込みチラシを入れたり、DM(ダイレクトメール)を送ったりしますが、この部分は現場の営業マンが持つスキルとは別のノウハウが必要となります。

 

見込客をショールームに足を運ばせる施策のことを「集客」とか「販促」と呼びますが、いずれにしても営業マンが得意な「セールス」とは異なるスキルが必要とされます。

 

いくら凄腕のトップセールスマンでも、見込客が目の前にいなければセールスできません。ショールームが閑古鳥では、営業する相手がいないわけですから、当然売上もあがりません。

 

一般に営業マンの成績があがらないのは、セールスの営業テクニックがないからだ、と考えがちですが、実はそうではありません。

 

テクニックがないからではなく、「営業マンがアプローチできる見込客がいない」から、営業成績があがらないのです。

 

車を買いたいお客がショールームに溢れかえっていれば、多少セールスのスキルが低い営業マンでも車を売るのは簡単です。でも見込客がショールームにいなければ、いくら凄腕の営業マンでも数字があがりません。

 

ところが多くの経営者は、見込客集めが十分に出来ていないにも関わらず、普通の数字を超えて、「無理でもいいから契約を獲ってこい!」なんて話しになるのです。

 

そうではなくて、十分な量の見込客を確保し成約率を高め、既存顧客の流出を防ぎ、リピート購入を増やすことが重要です。業績向上には、この戦略バランスを整えていくことが求められるのです。

 

例えるなら、火のおこし方と似ています。マッチやライターから、いきなり大きな木に火を点ける人はいないと思います。最初に火をおこすときは、カンタンに火のつく小さな小枝にするはずです。

 

小枝であれば小さくて燃えやすいので、すぐに火がつき、より大きな枝や木に火を燃え移らせていくでしょう。

 

見込客を発掘するプロセスも同じで、自社の売り物に興味を持っていただける「小枝」を用意しましょう。この小枝を、様々なツールを活用して拡散していくのです。

 

見込客として一度火をおこした後は、火を絶やさないようにしなければいけません。自社の存在を知り、見込客の何人かは興味をもってくれます。ここのプロセスで、営業マンが力を発揮できるのです。

 

自社に、見込客の火を点けるプロセスはありますか?

 

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