IT武装戦略の着眼点

第97話:頭を使って学んだ経験が重要!

2017年08月30日

「ランディングページ作りは、沢山のことを考え、色々なことに取り組まなければいけないのですね?」新たなWeb戦略を、再構築している現場担当者の感想です。

 

ランディングページや集客チラシなどの、クリエイティブ作業になると、頭を使って考えることが多くなってきます。その際、「頭を使って学んだ経験は、とても価値あることです!」とお伝えします。

  

実際に、最新の心理学の研究では、「集中的な学習」よりも「頭を使って学んだ経験」の方が、より効果あると言われているそうです。

 

多くの人は、何事かを習得するため、集中的に学んだ経験があると思います。インコース打ちを何度も繰り返し練習した元野球少年や、ゴール右隅へのシュート練習を繰り返したサッカー少年、テスト前の短期集中ゼミなどです。

 

これは昔からある、徹底的な繰り返しで自分の体に叩き込む、というトレーニング方式です。集中して何度も繰り返すうちに、確かに上達して「自分はできる」との確信が生まれてくることが多かったのではないでしょうか。

 

残念なことですが、そのような集中練習は実はあまり効果的ではなかったことが、最新の心理学の研究で明らかにされてきています。

 

2つのグループに別れた学生が4つの立体の体積の求め方を学ぶ際、1つのグループは立体の種類ごとに練習問題を解きました。三角柱の問題をいくつか解き、次に回転楕円体の問題を何種類か解いて、といった形で順番に進めました。

 

もう1つのグループには同じ問題を、立体の種類ごとではなく、順不同に解かせました。正答率はどうだったか?

 

前者のグループの平均は89%、後者の平均は60%でした。後者のグループはそのつど、対象物に合う解き方を考えて対応せざるをえず、なかには混乱してしまう人も出てきてしまったかもしれません・・・。

 

ところが、1週間後の最終テストの結果は、前者の平均正答率が20%、後者のそれは63%でした。

 

つまり、練習直後は良い成績をとった人たちが、一定期間を経過した後、成績を大幅に下げてしまったのです。

 

別の実験例があります。

8歳の児童たちが体育の授業で玉入れ練習をします。半数の児童はカゴから90センチ離れたところから玉を投げました。

 

残りの半数は、60センチ離れたところから球投げの練習をして、また、120センチ離れたところからも練習をしました。

 

12週間後に、児童たちに90センチ離れたところから玉入れを行うテストを実施します。結果、60センチと120センチの距離から練習した児童たちが圧倒的に上手に出来たのです。

 

不思議なことに前述したテストと同じで、まさに90センチからの練習に集中した児童たちの方が結果は良くなかったのです。

 

2つの実験から何を学ぶのか?

同じことを集中的に繰り返すことで効率的に獲得できたと思ったスキルは意外にもろく、実は残らないようです。

 

変化に戸惑いながら、いちいち頭を使って学んだ経験は持続し、応用が効くことを示唆しています。

 

一見ムダな努力、すぐに効果が見えにくい練習ほど、確実な成果をもたらしてくれるようです。「頭を使って学んだ経験こそ、持続し、応用が効く」、重要なヒントです。

 

ビジネスの現場では、同じことを繰り返し習得する学習スタイルが定着していないでしょうか?

 

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