IT武装戦略の着眼点

第103話:資金繰り改善のヒントとは?

2019年03月27日

「毎月の資金繰りに追われてしまい、将来を考える余裕がないのですが・・・」
ここ最近、経営改善と資金繰りに関する相談者が続きました。

 

「資金繰り」という言葉には、経営上の厳しさ辛さなどのイメージがつきまといます。その理由は資金繰りが、資金不足という経営上大変リアルな問題を解決する手段として、使われることが多いからでしょう。

 

現実問題としても、資金不足が長く続く場合では、ほとんどの企業は破綻せざるを得ません。これは裏返すと、資金繰りが上手く行けば、企業は破綻することは無いということです。

 

中小企業の資金繰りを、悪化させる原因はいくつかありますが、赤字経営が資金繰りを悪化させる最も本質的な原因です。赤字経営では資金繰りの改善は決して出来ません。

 

一日も早く赤字経営から、黒字経営に転換する必要があるのです。当たり前のことですが、年間1,000万円の赤字が出た場合は、1,000万円の資金が不足することになります。「欠損の金額=不足資金額」なのです。

 

「収益-費用=利益」なので、欠損額はそのまま不足資金額となります。先程の1,000万円の欠損が3年間続くと、不足資金額は3,000万円となるのです。

 

このような赤字経営で借入金がある場合、状況はさらに悪化します。資金が不足しているなかで、借入金返済をするのですから、苦しくなっていくわけです。これは、難しい財務分析や税務会計等の知識は必要ありません。

 

借入金を返済していくうえでの指標はとてもシンプルです。

・「減価償却費」+「当期純利益」

 

これが、自社がその年度に生み出した現金と言えます。つまり、この額以上の借入金返済があるとしたら、それは非常に苦しい状況になっているということです。もちろん、売掛金や買掛金が大きく増減した場合は、その年度の資金繰りは損益計算書とは大きく違っていきます。

 

しかし、大きな目安としては、あくまで決算書通りに資金が入ってきて出ていったと考えます。

 

では、返済を続けるのが苦しくなった場合にどう手を打つのか?

具体策としては、以下の対策が考えられます。

①複数の借入をまとめる!

②借入金の返済額を減らす!

 

①複数の借入をまとめるメリットとは?
以前に借りた分の返済が終わらないうちに、新たに借り入れをすると、返済口数と返済金額はどんどん増えることになります。

 

例えば、借入残金1,000万円で毎月約30万円返済しているのが1本、借入金残高500万円で毎月約20万円返済しているものがもう1本として、両方合わせて月々50万円の返済になっているとします。

 

ここで新たに、1,000万円借入しようとする際に、融資金額を2,500万円とすることで、以前分の借入残高1,500万円を新たな借入の2,500万円から一括返済し、ひとつの借入とすることが可能です。

 

返済は、2,500万円÷60回とすると、約42万円の返済額になります。あるいは7年返済の84回返済とすると、約30万円まで返済額を減らすことができます。

 

このように新たな借入をする際に、複数の借入を1本化して返済期間を変えることは、返済額を減らすには大変有効な方法となります。

 

②借入金の返済額を減らす!
毎月の返済額を減らすことを返済条件変更と言って、通称「リスケ」と呼んでいます。例えば、毎月50万円返済してきたものを、半分の25万円にしてもらうとか、15万円にしてもらうことです。

 

ただし当たり前ですが、銀行側が同意してくれなければ、実施することが出来ないのです。簡単に応じてくれる訳ではありませんが、可能性がゼロの話しではないのです。

 

毎月毎月、資金繰りに追われると、本当に辛く、未来を考える余裕なんてありません。故に、早急にやることは止血(支出)を止めることです。まずは止血をしてから、時間の掛かる経営改善で、輸血(収入)の手を打つのです。

 

自社の資金繰りは、上手くいっているでしょうか?

 

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