IT武装戦略の着眼点

第105話:ビジネスで「1」は最もキケンな数字?

2019年09月25日

「ここ最近は、1社の取引先から安定して修理依頼が入るので、安心しています!」
自動車修理業を営む2代目経営者の言葉です。これを聞いて、「1社の取引先に依存するのはとてもキケンです」と指摘しました。

 

なぜならば「1」は、ビジネス上で最も危険な数字だからです。

 

中小企業において、取引先が1社だけとか、流通チャネルが1つだけ、主なサプライヤーが1社だけ、主な顧客が1社だけ、見込み客の流入経路が1種類だけ、1種類のメディアに依存しているとか・・・。

 

もし自社がこのような状況にあるならば、その経営は脆弱であると言わざるを得ません。自社ではどうしようもない外部環境のちょっとした変化が、壊滅的な影響を及ぼす可能性があるからです。

 

よく聞く事例として、Googleが検索エンジンのアルゴリズムを変更した時、多くのネットショップやECサイトは大打撃を受けます。

 

これらの企業は、多くの予算をSEO(検索エンジン最適化)に投じていることもあり、文字通り一夜にして、自社の唯一の販売チャネルが無くなります。

 

近年、画期的な広がりを見せているSNSでも同じことが言えます。従来にはない、高いレベルのつながりを可能にしたメディアですが、やはりひとつのSNSに依存するとキケンです。

 

最近はSNS活用こそが、マーケティング戦略の万能薬だと思っている経営者も少なくないですが、ビジネスの経営戦略全体から見れば、ひとつの戦術に過ぎないとしっかりと認識するのが重要です。

 

マーケティング戦略において、上手くいく企画やキャンペーンは、次の3つの要素が明確になっています。
①  市場/自社がメッセージを送るターゲット市場
②  メッセージ/自社が発信するメッセージまたは提案内容
③  メディア/ターゲット市場にメッセージを送るために使用する伝達手段

 

企画やキャンペーンを成功させるには、上記3つの要素が全てピッタリはまっていなければなりません。つまり適切なメッセージを、適切なターゲット市場に、適切なメディアチャネルを通して送る必要があるのです。

 

この3つの要素の内どれかひとつでもズレていると、高い確率でキャンペーンは失敗します。しかしこの要素と仕組みが分かっていれば、メディアをキャンペーン全体の中で捉えるのに役立つと思います。

 

SNSとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスのことであり、その名の通り「メディア」の一形態を指しています。しかし、長年かけて実証されているマーケティング戦略の基本は、新しいタイプのメディアが登場したからといって突然変わったりはしないものです。

 

それらを踏まえて、SNSは自社のビジネスにピッタリのメディアになるでしょうか?

 

経営者が、ご自身や会社のSNSページを量産したとしても、実際には利用しているソーシャルネットワークのものです。したがって貴重な時間とお金をかけてこれらのネットワークにページと情報を築き上げても、自社の資産となることはありません。

 

自社の経営に役立つためには、可能な限りウェブサイト、ブログ、メルアドリストといった、見込み客リストを含む資産を構築して所有すべきです。

 

これらの資産へのアクセスを促す手段として、SNSを活用するのが一番賢いと考えています。こうすれば、経営者の時間と労力は、とても貴重な対価に変わるからです。

 

冒頭の、「1」はビジネス上で最も危険な数字の話しに戻りますが、メディア戦略に関しても同じことです。

 

中小企業の多くが、新規顧客の導線や流通チャネルを1つしか持っていない現実があります。これはあまりにもキケンなので、チャネルは複数、少なくとも3つ以上は持つべきだと思います。

 

自社のビジネス上で、「1」のキケンはないでしょうか?

 

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