IT武装戦略の着眼点

第106話:リピート購入が「商売繁盛」の決め手!

2019年10月30日

「うちのお客さんは、メルマガを送っても一切反応がなく売れないので、新規顧客ばかりに集中しています!」約20年以上、ECサイト運営をされている社長の言葉です。

 

ECサイトであれ単品購入だけではもったいないので、リピート購入したくなるような商品ラインナップを、意図的に用意するべきなのです。

 

なぜならば、ビジネス経験則である「1対5の法則」があるからです。「1対5の法則」とは、新規顧客獲得コストは既存顧客維持コストの5倍になる経験則があるからです。

 

既存顧客は、すでに自社の売り物を買った経験があるため、比較的シンプルな販売促進で再購入する可能性は高いです。一方新規顧客は、自社の売り物をまだ買ったことがないために、購入までのハードルが高くなります。

 

ECサイト運営の経営者の多くは、顧客維持が重要だと考えていないようです。

 

事業経営において大事なことは、既存顧客に「繰り返し繰り返し」、いわゆるリピートして何度でも商品を買っていただき、サービスを利用いただくことです。

 

すなわち、「顧客生涯価値」を高めることが「商売繁盛」の決め手となるのです。顧客生涯価値とは、一人の顧客が生涯にわたって売り手にもたらした価値の合計を指します。

 

既存顧客に、3年・5年・10年・50年でも、自社の商品やサービスを買っていただくことです。事業経営において、これ以外の安定など決してないのです。これが安定経営の摂理なのです。

 

中小企業の経営者の多くは、事業の安定化を願っていますが、具体的に戦略まで落とし込んでいる方は少ないです。どんな事業であっても、顧客がいない事業などありえません。

 

既存顧客に繰り返し、安定的に買って頂けるシステムを自社に構築しなければなりません。ただ偶然の売上では意味がなく、事業拡大は期待できないのです。

 

世の中にはなぜ定期券があり、賃貸マンションがあって、リースやレンタルという販売形態があるのかを、よくよく考えれば理解できますが、それらは偏に繰り返すシステムのためなのです。

 

定期券は、電車やバスに乗っても乗らなくても、売上を固定的にするシステムです。賃貸マンションは、ホテルに比べて、毎日のサービスや集金の必要がありません。つまり、月極で集金するシステムなのです。ホテルのように、毎日部屋を売るという努力をしなくてもよいのです。

 

一度買ったら、長く買ってもらえないような耐久財にとって、毎月売れたようにシステムを組むことは、事業の安定に重大な要素となります。車業界の新車リースは、まさに好例と言えます。

 

この繰り返すシステムの応用戦略として、「会員制度」があります。自社特有の会員制度をつくって一般顧客を入会させることや、1年契約、3年契約など一定期間の取引を相手に承認してもらう契約制もあります。

 

こういった制度をつくることは、浮気しがちな顧客の心を見通し、リピート利用を約束させる手法とも言えます。消費者の心は移り気です。今、気に入っている商品、サービスであっても、いつかは他社のほうが良くなって浮気をします。

 

そんなとき、会員制度や契約制度などでつながっていれば、「他社の商品に心が動くが、会員特典があるので、今回も同じ会社の商品を買おう」ということになります。

 

制度をつくる上で大切なことは、顧客にとってどれだけ魅力的な特典をつけられるかということです。会員制なら割引や優遇など非会員よりも「お得」である内容を盛り込むわけですが、問題はその度合です。

 

中途半端な割引優遇であれば、わざわざ入会することもないし、入会したとしても、繰り返し利用や購入したいとは思わないからです。

 

理想的な形は、「ここまでしてくれるなら、制度を利用しなければ絶対に損だ」と、顧客に思わせるような特典をつくることです。

 

自社は、商売繁盛の決め手を備えていますか?

 

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