「新型コロナにより、売上が激減して大変なのですが・・・」
「新型コロナですが、前年対比で売上が伸びております!」
同じ業種で営業している経営者のそれぞれの声です。
経営相談の現場では、同じ時期に同じ業種の経営者から相談を受けることもあります。先日もたまたま同じ業種の経営者の相談が続き、冒頭のようなお話しを聞いたのですが、面白い結果だと思いました。
面白いというのは、前者は昨年度に比べると売上は50%以下に下がっていますが、後者は前年対比で売上が伸びている点です。同じ業種でなぜ結果が違うのか?
それはSNS等を活用して情報発信をしていたか、やっていなかったかの違いです。売上を伸ばしている経営者は、昨年からSNS活用に力を入れていました。新規見込み客や既存客フォローも含めて、沢山の情報発信をして日々コミュニケーションしていたのです。
前回のコラムでも書きましたが、既存顧客へのフォローやアプローチしていた企業は、新型コロナの影響が少ない傾向にあります。考えたら当たり前ですが、顧客との関係性が重要なのです。
今回の新型コロナで飲食店は営業できなくなりました。そこで多くの飲食店は、テイクアウトやデリバリーを始めました。しかしどこもかしこも実施したので、お客さんはどのお店を選んでも良いことになります。
結果として、多くのお店が思ったように売上や利益が上がらないのです。
しかし一方で、あるレストランでは店内のコースメニューと同等額の弁当を開発します。考案する過程をSNSで公開し既存客の関心を高めながら販売すると、常連さんが次々と購入してくれたそうです。結果として、このレストランは前年同月比で50%増となりました。
勘違いして欲しくないのでが、SNSがすごいのではなく「情報発信」が重要なのです。情報発信による既存顧客フォローやアプローチが、顧客との関係性を高めるのです。
ネット社会の現代とはいえ、情報発信はSNSに限ったことではありません。企業情報が記載されたニュースレターやハガキでも十分に効果があります。
手書きのニュースレターを通して、常連客と信頼関係を築きリピーターを増やしている宿もあります。
温泉宿に、毎月訪れるような上得意客でも、何かの拍子に予約を忘れ、そのまましばらく来ないことも珍しくないのです。しかしニュースレターが届くことで、高い確率で思い出してもらえます。
例えば、予約が落ち込んだ時もニュースレターには「助けてください!」など、ピンチを包み隠さず報告するのです。それを読んだ常連さんが予約を入れてくれ、滞在を伸ばしてくれるのです。
もちろん、新型コロナの影響を受けています。しかしこのような情報発信している宿ならば、衛生対策や頑張っている様子を伝え続けることで、徐々に客足は戻ってくるでしょう。
知っている人と知らない人が同じモノを売っていたら、どっちから買うでしょうか?
多くの人は、知っている人から買うものです。
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