IT武装戦略の着眼点

第114話:業績に直結するDXなのか?

2021年03月24日

「DX(デジタルトランスフォーメーション)関連のセミナーで、IT企業とマッチングして頂きシステム提案があったのですが、これは当社に必要でしょうか?」
M社の優秀な女性役員からのご相談時の言葉です。

 

最近は、ネットや書籍などで「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を頻繁に見かけるようになりました。そのせいか、経営相談においても聞かれることが多くなっています。

 

ウィキペディアで「DX」と検索すると以下となります。
デジタルトランスフォーメーション(英: Digital transformation; DT or DX)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。デジタルシフトも同様の意味である。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

事業経営におけるDXとは、「企業がデータやデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えること」となるようです。しかしDXで成果を上げている企業は、世界でもわずか5%とされているのが現状とのデータもあります。

 

冒頭の女性役員のように、ITにそれほど詳しくない方にとってDXは、自社にとって本当に役に立つかどうかはよくわからない状況のようです。

 

こちらのアドバイスは、「DXだろうがデジタル技術だろうが、自社の業績に直結するシステムやツールかどうかで判断しましょう」とお伝えするようにしております。

 

このM社がIT企業から受けた提案は、受注から生産まで全工程の自動化でした。しかしこの会社の加工工場は年間を通してフル稼働している状況ではなく、繁忙期と閑散期の差が大きい状況です。

 

業績に直結する一手を考えるならば、加工工場のフル稼働と年間を通した平準化を目指して受注に力を入れるべきなのです。

 

そこでこのM社は、現在のコロナ禍における非対面での営業力強化を目指すべく、自社のホームページを強化します。限られたスタッフが効率的に働き、業務に集中できるようにするためのDXです。

 

具体的には既存のHPを生かしつつ、よりユーザーが使いやすいよう、見積もりフォームを導入します。

 

加工したい野菜の種類や量などの情報を入力することで、およその価格が表示される仕組みです。顧客ターゲットごとにキャッチコピーを変えるなど、関心を持つ見込み客となる企業に“刺さる”工夫をされます。

 

IT企業側の協力もあり、見積もりフォームをカスタマイズして、仕様書もできるだけ分かりやすい文言を使い、従業員が簡単に更新作業できるようなっております。

 

刷新されたHPを最大限活用するためには認知度アップが必要なので、DMを千通、全国の菓子メーカーなどに郵送してテストマーケティングを実施しております。テストマーケティングは全て数字で効果測定する必要性を理解しているので、QRコードをつけ、効果分析できるようにしております。

 

女性役員によると、今後は工場の稼働率の「見える化」するシステムの導入など、さらなるDXも考えているようで、「最終的には食品加工業界をDXしたい」と言っています。

 

これこそが、中小企業が取り組むべきDXによる経営革新だと思います!  

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