人材育成の本質論

第1話:一寸先の闇を照らす人材を育てる、超:研磨式人材育成法

2016年07月27日

「わかっちゃいるけど後回し。会社の人材育成はどうすべきか?」

 

社員は日々の仕事をまわすことが自分に与えられた業務であると考えます。しかし、会社を背負う社長は先を見据え、新たな事業のアイデアを考えます。社長の動きは社員から見れば、「忙しい中でまた新しいことをやらなければならない」というプレッシャーとなるケースもあります。お互いが会社のために、社員全員のために働いているのですが、立場によるズレはいつしか職場の空気を悪くすることもあり得ます。

 

人材育成も同じくです。日々の忙しさが優先され、人を育てることに関しては後回しになることもしばしば。「人は仕事の中で成長するものだ、それが人材育成である」と考える企業も少なくはありません。しかし、人材不足の状況に直面すると気が付きます。もっと早く人材育成に手を打つべきだったと。人材育成の難しさというのは、人によって成長のレベルが違い、また育成法も変わるということ。ですので、万人に通用するというような人材育成研修を受けても効果が出にくいのです。

 

幹部を育てること。それが企業の未来に直結します。幹部が積極的に社長の代わりにアイデアを生み出し、また部下を育てる人材となれば企業は安定感を増します。意欲的な社内の空気は社員のやる気を高め、時代の変化に翻弄されるのではなく、時代をつくるような会社になるのだと思います。しかしながら、幹部の育成に時間をかけられないのが中小企業などの現状ではないでしょうか。幹部も新たなチャレンジが必要だとわかってはいるのですが、現場の状況も鑑みながら判断すると、できれば今は余計な業務を増やしたくないと考えてしまいます。

 

現場も幹部も忙しい。この状況で人材育成をどうするのか?これはどの企業も抱える課題の一つです。ここで課題解決の際に効果を出す考え方を整理していきたいと思います。課題というマイナスをプラスに変えるアイデアを「ワンアイデア」と言います。例えば、私が視察したデンマークでは周りの国からあるモノを輸入し、地域と世界の課題を解決していました。あるモノとはゴミです。驚くことにゴミを輸入し燃やすことで電気エネルギーに変換していました。もちろん、空気を汚すようなレベルの発電所ではなく、高レベルの発電所を開発しています。このことで、地域の電力が賄われ、ゴミが減り、ゴミが足りなくなったことで外国からゴミを輸入する。不必要なものを埋めたてるのではなく、今のエネルギー問題を解決するという考えでした。さらにゴミを意識することで、余計なゴミを出さないようなリサイクル商品の開発や国民の意識の変化も出てきたようです。つまり、新たなビジネスチャンスも生まれ経済もプラスに動く。このような発想をワンアイデアと言います。

 

では、人材育成のワンアイデアとは?それは、幹部と部下が日々の仕事を通し「育ち合う」システムを構築することです。忙しい毎日の業務を人材育成の教材に変え、幹部は部下を育成していきます。しかし、様々な個性を持つ部下です。成果を出す人材も中々成果に結びつかない部下も出てくるでしょう。このようなデキナイ部下が幹部を育ててくれます。「指導する」や「教える」だけでは人が育たなくなってきた時代ですから、幹部の考え方を変えていく必要があるのです。幹部は部下から時代の変化を教えられ、自分が変わることの必要性に気づきます。幹部が時代の動きを捉えられるようになれば、ワンアイデアを生み出す思考回路に変わる可能性も生まれます。このように幹部の育成も部下の育成も日々の業務の中にあるのです。少し視点を変え、「育ち合う」システムを構築することで会社の人材育成力が高まります。自ら考え、自ら解決に動き、会社を支える人材を育てるのは今からできること。どんな時代になっても一寸先は闇です。人は未来に起こることを予測できません。未来のためにも闇を照らす人材を育成する。それが社会における会社の役割の一つではないでしょうか。

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