人材育成の本質論

第3話:金ない、人がいない、、をプラスにした
広島東洋カープの育成戦略

2016年09月14日

広島東洋カープがリーグ優勝を果たしました。25年ぶりの快挙です。私は過去、広島に6年間住んでおり何度も市民球場の外野席に足を運び応援してきました。当時は逆境でした。育てた選手は資金力のある球団に流出していきます。

ファンとしては「え、〇〇選手も!?またか。。。」という気持ち。プロは対価で評価してくれる球団に移るのは当たり前ですから、なんとも言えないもどかしさがありました。カープは柱が抜けていき、補強の資金も限られBクラスに転じます。いわゆる金ない、人がいない、、、という状況でした。

この苦しい時代に生え抜き選手を「育成する」ことを決めました。人が育つ土壌をつくることにしたのです。選手がミスをしても試合で我慢強く使っていきました。ミスや失敗はアキラメの材料ではなく次に生かす教訓にしました。

このような繰り返しでだんだんと個人の力がついてきました。しかし、まだ足りない部分がありました。個人のチカラを他人のために生かすチームのチカラです。そんな時、黒田投手と新井選手がチームに復帰しベテランが声を掛けていく背中を見せていきました。

黒田投手の育成スキルも見事でした。声をかけて助言をするが言い過ぎはしない。それは「自分の頭で考える癖」を身に付けさせるためでした。このような一つ一つの小さな行いがベテランと若手がかみ合うバランスの取れたチームへの道だったのです。力がつけば結果は出ます。それが今季のリーグ優勝です。

もし、お金があれば短期的に強くなります。しかし、育成するノウハウは身に付きません。お金がない、人がいないという逆境があったからこそ、長期スパンで戦えるノウハウが身に付きホンモノの実力となっていくのです。

私はある市町村のリーダー育成にも携わっていますが、国からの交付金が出なくなり、自分たちで知恵を出し合い行動してきた地域は驚くほど元気があります。彼らは言います。「金がないおかげでみんなと団結できた。当時は苦しかったけど今考えれば成長するチャンスだったね。」そんなことを言いながら、住民がビジネスを始める地域もあります。時代は間違いなく変わってきています。

逆境は強くなるためのチャンス。何のチャンスかと言えば「人を育てるチャンス」なのかもしれません。育成に力を注げば結果につながる。「育てるから育つ」のです。

そうそう、広島カープはクライマックスでどうなるのか?

まだまだ目が離せません。

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